こんにちは。東京コーチング協会の多田です。
私には、コーチングの学習を始めた頃の苦い経験があります。

それは対面の授業で、その場にいた参加者同士がペアになり
クライアント役・コーチ役に分かれ、20分ずつセッションの練習をする
という状況でした。

クライアント役の方は、
「顔の表情についてテーマにしたい」
「普段から、表情が暗いとか硬いと言われることが多いので・・・」
とおっしゃいました。

「では、20分後には何が手に入ればいいですか？」
とゴールを聞くと
「自分の表情を確認する方法を考えたい」
とのことでした。

私は、習ったとおりに
「自分の表情を確認する方法を考えたいのですね？」
と繰り返し、確認をとった上で
コーチングをスタートしました。

そして、ゴールに向かって一直線に
「では確認する方法を、思いつく限りをどんどん上げてみましょう！」
「どれを採用するかは後回しにして、
今はどんな突拍子のないアイデアでも、構いませんよ！」
と少し大げさに勇気づけをしながら、促しました。

もちろん、習ったとおりに
一生懸命に傾聴し
相手の考えを尊重し
一つひとつの答えを承認し
進めていきました。

「周囲の同僚に、折に触れ、フィードバックをもらう」
「自分の表情を確認するために、机の上に鏡を置く」

私は
『なんだか、ありきたりな答えが続くなぁ』
『表情からも、新たな気づきがあったとは思えないしなぁ』
と焦りながら
「他に、思いつくことはありませんか？」
と笑顔で質問を続けました。

「ん・・・」

『アイデアが出尽くしたのかな？』
と思った私は、
いくつかでたアイデアの中で
「どれなら、直ぐに取り組めそうですか？」
と質問し
「鏡を置くことかな？」と
答える相手に
「どんな鏡なら、気分よく見られますか？」
「それをいつ買いに行きますか？」
と行動計画を聞いているところで
「はい、20分です！」と講師の声がかかりました。

相手のフィードバックは
「苦しかったです」
というものでした。

上手くいかなかったことは、自覚していましたが
それでもショックでした。そして、
『なぜ、クライアントが自分で口にしたゴールに向かって
質問したのに、ダメだったのだろう？」と
考え込んでしまいました。
当時の自分には、直ぐに答えが見つけられませんでした。

今なら、
①クライアントが口にした言葉を簡単に信じ、
②直ぐにやり方（HOW）にフォーカスしたから
と分析することができます。

そして、
「本当は、周囲から、どんな人に見られたいのですか？」など
クライアントが望む本質的なものに
フォーカスしてもらう質問ができると思います。

コツは、WHY（何のために）を考えること。
『この人は、なぜこのテーマにしたのだろう？』
『本当は、何が欲しいのだろう？（どうなっていたいのだろう）』
と、本質を考えることです。

お陰様で、今の私は
多くのクライアント様とセッションを重ねるうちに
本質を考えることが習慣化できているようです。

本質を考える力は、洞察力とも表現できます。
洞察力のある人の特徴は
①観察力がある
②物事をゼロベースで捉えることができる
③多角的な視点を持っている
などがあり、結果として
①問題解決能力が高い
②コミュニケーション能力が高い
というメリットがあります。

コーチングを学ぶと
「傾聴できるようになる」とか
「承認できるようになる」など
多くのメリットがあることは
良く知られていると思います。

さらに、意外かもしれませんが
このように、洞察力も鍛えられるのです。

一緒に洞察力を鍛えましょう！

https://tca.tokyo/learncoching/course/#triplea

———————————————————————
多田雅彦
株式会社シナプスワークス代表取締役
東京コーチング協会認定プロフェッショナルコーチ
国際コーチング連盟認定プロフェッショナルコーチ

メーカー勤務時にコーチングと出会い、財務系の

スタッフ職から大きくキャリアチェンジ。10年間の

教育系コンサルティング会社勤務を経て、

コーチとして独立起業。