ビジョンは、つくるものではなく、見えてくるもの

こんにちは。マスターコーチの丸山です。
昨今、生成AIの進化には目を見張るものがあります。情報を集め、整理し、選択肢を提示するという点において、AIはすでに人間を大きく上回っています。
しかし、それでもなお、ビジョンだけは自分で考える必要があります。これは今後も変わりません。

コーチングの世界では「答えはクライアントの中にある」と言われますが、ビジョンはまさにその典型です。
にもかかわらず、「ビジョンが見えない」「将来が描けない」と語る人は少なくありません。
ですが、それは本当にビジョンがないからなのでしょうか。私はそうは考えていません。
多くの場合、ビジョンが見えないのではなく、ビジョンを見えなくしている構造が、その人の中に存在しているのです。

たとえば、過去の成功体験への過度な固着、失敗への恐れ、他者の期待を優先し続けてきた思考の癖、正解を外に求め続けてきた判断の習慣。
こうした構造が重なり合うことで、本来そこにあるはずのビジョンが、まるで霧に包まれたかのように見えなくなっています。
その構造が少しずつ明らかになってくると、状況は一変します。
まるで海岸に立ちこめていた霧が晴れ、目の前にあった大きな灯台が、突然、視界に入ってくるような感覚です。
努力して探し出したというより、「もともと、そこにあったものに気づいた」という感覚に近いと思います。

私は、ビジョンを描かせること以上に、ビジョンを見えなくしている構造を明らかにすることこそが、コーチの重要な仕事だと考えています。
AIとの対話は、思考を整理し、視点を広げる上で大いに役立ちます。
しかし、AIはクライアントの沈黙の質を感じ取ることも、言葉になる前のためらいや違和感に立ち会うこともできません。
そこにこそ、人間のコーチが関わる意味があります。2026年に向けて、AIはさらに進化するでしょう。

その一方で、「自分はどこへ向かうのか」「何を大切に生きるのか」という問いは、ますます人間自身に委ねられていきます。
東京コーチング協会が育成しているコーチとは、スキルの提供者ではなく、構造を見抜き、問いを通して霧を晴らす存在です。
ビジョンが語られる前の、語れなさに丁寧に向き合える存在です。
2026年は、その価値がより明確になる年であると、私は確信しています。

丸山達哉

丸山 達哉

Maruyama Tatsuya

東京コーチング協会 理事
リードセルフ株式会社 代表取締役
資格
  • 東京コーチング協会マスターコーチ(TCAMC)
  • 国際コーチング連盟認定マスターコーチ(MCC)
  • 国家資格キャリアコンサルタント
担当コース
  • マスターコース
  • 組織コーチングコース
帰還~英雄の旅その5~ コーチのためのNLP基礎⑭
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