帰還~英雄の旅その5~ コーチのためのNLP基礎⑭

こんにちは。東京コーチング協会の丸地です。
気づけば2025年も年末。そろそろ年末年始の予定を組んでいる方も多いのではないでしょうか?
年末年始には、実家に帰省するという方も多いと思います。・・・私もその1人です。
久しぶりに帰る実家、楽しみですね!

振り返ってみると、高校生までは当たり前のように過ごしていた実家ですが、一度一人暮らしを始めた後には、
「昔のように実家暮らしをすることはできない」と感じる方も多いのではないでしょうか?実家は何も変わっていないにも関わらず、です。
大学進学後に初めて帰省した際に感じた違和感、居心地の悪さを今でも覚えています。

さて、前回に引き続いてヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)についてお伝えできればと思います。
詳細は以前の記事を読んでいただければと思いますが、このヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)は、
世界各地の神話の研究から見出された、英雄物語のフォーマットです。

1.Calling「天命」
2.Commitment「旅を始める」
3.Threshold「境界を超える」
4.Guardians「守護者(メンター)」
5.Demon「悪魔」
6.Transformation「変容」
7.Complete the task「課題完了」
8.Return home「故郷へ帰る」

NLPでは、この物語のフォーマットが、私達の人生のメタファー(比喩)であると考えます。
私達は皆、英雄の旅を歩んでいるのです。

さて、本日はこのステップの中でも、8.Return home「故郷へ帰る」についてご紹介します。
悪魔(試練)と向き合った英雄は、自ら変容することで試練を克服します。無事課題を完了した英雄は、いよいよ故郷に戻って行きます。
故郷へと帰還し、旅の結果として得た知識と経験を共有しなければなりません。
故郷において、新たなアイデンティティーを持つ人として見られ、受け入れられることが旅の最後に待っています。

しかし、故郷へ帰る道のりは、決して楽なものではありません。ときに妨害が発生し、帰還を邪魔します。
神話で言えば、イザナギノミコトが黄泉の国に妻を迎えに行った際の物語がこれに該当します。
イザナギノミコトは様々な妨害にあい、大切な妻を連れて帰ることができませんでした。
また、ときに自ら帰還を拒否することもあります。旅を経験し変容が起き、新しい世界に居心地の良さを感じ、昔の環境に戻ることを拒否してしまいます。

セミナーが終わった後も、なかなか帰らない人いますよね 笑
一人暮らしをした大学生が帰省しないのもこれかも知れませんね。

英雄の旅を通じて変容した今、元の環境は居心地の悪いものになります。
ときに、旅の前のように元の仲間と人間関係を築くことが難しくなることもあります。また、元の友人たちが、変容前の自分に戻そうとしてくることもあります。
私たちの帰還が、現状維持という秩序に混乱をきたすからです。

ここで再び必要となるのが、守護者(メンター)の存在です。
守護者とのつながりをもち、旅で得た新たなリソースの状態を定着させつづけることが、帰還を成功させる鍵となります。
私たちが行うコーチングの1回1回がクライアントにとっての英雄の旅だとすると、いかに日常に帰還していくのかというのは、
コーチとして大切な要素ではないでしょうか。
クライアントの帰還が効果的にできるよう、コーチとして何ができるのでしょうか?どんな支援が必要でしょうか?考えてみませんか?

さて、こうして1つの物語は終わるのですが、ある物語の終わりは、別の物語の始まりでもあります。
英雄は、次の旅に向かいます。

ということで、私も次の旅に進みます。次回からはまた別のテーマで書いていきます。
では、また。

丸地見典

丸地 見典

Maruchi Kensuke

東京コーチング協会 運営委員
株式会社maru-suru代表取締役
資格
  • 東京コーチング協会認定プロフェッショナルコーチ(TCAPC)
  • 国際コーチング連盟認定プロフェッショナルコーチ(PCC)
  • 全米NLP協会認定トレーナー
  • 7つの習慣®for不動産ファシリテーター
  • LABプロファイル® マスターコンサルタント
  • LABプロファイル® 認定コンサルタント&トレーナー
  • 米国NLP&コーチング研究所認定 DSRトレーナー
  • タイムラインセラピー® プラクティショナー
  • 米国NLP&コーチング研究所NLP催眠療法認定プラクティショナー
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