あなたは、どんな口癖がありますか?

こんにちは、東京コーチング協会の多田です。
コーチングでは、「感情はその人の価値観やニーズを知るカギになる」と言われています。
NVC*の創始者マーシャル・ローゼンバーグの言葉にあるように、
「すべての行為はニーズを満たそうとする試みであり、感情は満たされた、あるいは満たされないニーズの所在を提示する」
という視点を持つと、私たちの言動の背景には、常に満たしたいニーズや価値観があることがわかります。
*NVC: Non Violent Communication

そのため、コーチングでは、クライアントにそのときの感情を表現してもらい、内側に何があるのかを探求する支援をします。
感情を言語化することで、無意識のニーズや価値観に気づくことができるからです。
では、私たちが普段何気なく使っている「口癖」はどうでしょうか?

<口癖が映し出す、無意識の思考パターン>
クライアントが無意識に使う口癖には、その人の「固定観念や思考のクセ」が表れていることがよくあります。
例えば、私自身の口癖の一つは、「難しそう」or「大変だなぁ」です。
新しいことに挑戦するとき、頭の中には決まって「上手にやらないとかっこ悪い」「失敗したらどうしよう?」という思考が自動的に流れます。
まるでプログラムのように、瞬時に「難しそう」という言葉が口をついて出るのです。
そして、その瞬間、私は怖じ気づいたり、気持ちが重くなったりします。

しかし、この「難しそう」は単なる言葉ではなく、私の中にある「完璧にやりたい」「失敗を避けたい」というニーズを
さらには「完璧にやらないと評価してもらえない」という価値観を映し出しているのです。
こうした思考はあまりにも自然で、瞬時に湧き上がるため、多くの場合「ネガティブな感情だけを感じて終わってしまう」ことが多いのではないでしょうか?

<口癖の奥にあるニーズを見つめる>
このようなときに役立つのが、以下の3つの手法です。
① 感情に飲み込まれず、メタ認知する→ 今、自分がどんな気持ちになっているかを客観的に観察する。
② その感情の裏にあるニーズを探る→ 「私は何を大切にしているから、こう感じるのか?」を内省する。
③ ニーズを解決しようとせず、ただ観察する→ 「今、自分にはこういうニーズがあるんだなぁ」と、ジャッジせずに受け止める。

こうすることで、感情の波に流されることなく、冷静に自分の内面を見つめることができるようになります。
そして、気づきが深まることで、気持ちがすっと落ち着くのを感じるでしょう。

<口癖を意図的に変えてみる>
さらに、この口癖を「意図的に変えてみる」のも有効です。
例えば、私の場合、「難しそう」という言葉を「面白そう」 に変えてみる。すると、新しいことに対する捉え方が変わり、気持ちの持ちようも軽くなります。

コーチとして、クライアントの口癖に気づいたときには、それをフィードバックすることが大切です。
「先ほどから、その言葉何度も出てきますが、どういう気持ちでしたか?」と問いかけることで、クライアント自身が無意識の思考パターンに気づくことができます。
もし、その口癖がクライアントの行動を制限しているようなら、「この言葉を、もっとポジティブなものに置き換えるとしたら?」と問いかけてみるのもよいでしょう。

<あなたの口癖は?>
あなたには、よく使う口癖がありますか?是非、周囲の人に聞いてみてください。
口癖が見つからない場合は身体的な癖でも良いとおもいます。ぜひ、あなた自身の癖を観察してみてください。

そして、それを発するときの感情やニーズに目を向けてみましょう。
そこには、これまで気づかなかった自分自身の価値観が、きっと隠れています。

多田雅彦

多田 雅彦

Tada Masahiko

東京コーチング協会 運営委員
株式会社シナプスワークス代表取締役
資格
  • 国際コーチング連盟認定プロフェッショナルコーチ
  • 東京コーチング協会認定プロフェッショナルコーチ
  • Points of YouⓇ認定エキスパート
  • シチュエーショナル・リーダーシップⅠ&Ⅱ認定講師
  • 組織開発ファシリテーター(日本マンパワー) 
  • HOGAN認定コーチ
  • DiSC認定講師
  • 戦略MGインストラクター
  • ファイナンシャルプラン技能士2級
担当コース
  • エッセンシャルコース
独立プロコーチに必要な事とは "仲間を作る" その20
見方が変われば、行動が変わる?
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