AIと対話して気づいた、次のコーチングのかたち

皆さん、こんにちは。TCA理事の丸山です。最近、私はAIと対話しながら考えを整理することが増えています。
アイデアを壁打ちのように投げかけると、AIは関連する理論や思想を紹介してくれます。
時には、私が知らなかった研究や概念を引用してくれることもあり、そのたびに自分の思考の輪郭が広がっていくのを感じます。
AIとのやり取りを重ねていくうちに、量子力学、AI、そしてコーチングが少しずつ結びつき、私の中で新しい世界観が立ち上がってきました。
AIはまるで完璧な聞き手のように、私の発想を受け止め、言葉の形にしてくれます。
そのプロセスは非常に刺激的で、まるで自分の頭の中に“もう一人の思考パートナー”がいるようです。

ところが、あるときふと気づいたことがありました。AIはニュートラルで、私の発言をもとに関連する情報を正確に提示してくれます。
けれども、それはあくまで「私の延長線上」にあるものです。
AIは、私が投げかけた内容を起点にして応答するため、私の世界の外側にある、まったく異質な視点は出てきません。
AIとの対話は確かに深く、学びも多いのですが、それは「自分の知的空間を広げる体験」であって、「自分を超える体験」ではないのです。

一方で、人との対話には思いもよらない展開があります。相手には独自の背景や感情、価値観があり、時に「なぜそんなことを?」と思うような言葉が返ってきます。
その瞬間、私の中の思考の枠が壊れ、新しい何かが生まれ始めます。人間との対話がもたらすのは、知の拡張ではなく、構造そのものの変化です

AIを使うことは、もはや避けられません。私自身もAIを積極的に使い続けていますし、それによって得られる恩恵は計り知れません。
AIは私たちの思考を可視化し、整理し、発想を加速させてくれます。一方で、人との対話は、思考を変容させ、新しい現実を生み出す力をもっています。
これからのコーチングに求められるのは、AIと人間の両輪を使いこなす力だと思います。
AIの知性を活かして思考を広げ、人との対話でそれを変化へとつなげていく。この往復運動の中にこそ、次の時代のコーチングが生まれます。

東京コーチング協会では、AIと人間の知性を統合し、これからの時代にふさわしいコーチングのあり方を探求していきます。
AIを拒まず、かといって人間中心主義にもとらわれず、両者を補完し合うことで、より高次のコーチングを実現していく。AIが広げ、人間が変える。
その循環の中に、次の時代のコーチングが生まれると感じています。その新しい地平を、皆さんと一緒に開いていきたいと思います。

丸山達哉

丸山 達哉

Maruyama Tatsuya

東京コーチング協会 理事
リードセルフ株式会社 代表取締役
資格
  • 東京コーチング協会マスターコーチ(TCAMC)
  • 国際コーチング連盟認定マスターコーチ(MCC)
  • 国家資格キャリアコンサルタント
担当コース
  • マスターコース
  • 組織コーチングコース
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