変容する~英雄の旅その4~ コーチのためのNLP基礎⑬

こんにちは。東京コーチング協会の丸地です。気づけば11月に入り、めっきり寒くなってきましたね。
あと少しで2025年も終わりを迎えますが、今年はどんな1年でしたか?ラストスパート中、という方も多いですかね?

さて、前回に引き続いてヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)についてお伝えできればと思います。
詳細は前回・前々回・前前々回の記事を読んでいただければと思いますが、このヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)は、
世界各地の神話の研究から見出された、英雄物語のフォーマットです。

1.Calling「天命」
2.Commitment「旅を始める」
3.Threshold「境界を超える」
4.Guardians「守護者(メンター)」
5.Demon「悪魔」
6.Transformation「変容」
7.Complete the task「課題完了」
8.Return home「故郷へ帰る」

NLPでは、この物語のフォーマットが、私達の人生のメタファー(比喩)であると考えます。私達は皆、英雄の旅を歩んでいるのです。
さて、本日はこのステップの中でも、6.Transformation「変容」についてご紹介します。

悪魔(試練)と向き合った英雄は、変容の時を迎えます。この変容には、大きく2つの変容を含みます。
1つ目は、悪魔を変容させること。2つ目は、そのために自らを変容させること。この行為を通じ、英雄へと変容していくのです。
前回お伝えした通り、悪魔と戦ってはいけないのです。あくまでも、悪魔と向き合い変容させる。
そのために、自らのものの見方や捉え方を変容させていく。これにより、最大の敵であった悪魔は、英雄になるためのリソースとなります。

以前勤めていた会社では、素手でトイレ掃除をするという研修を行っていました。この研修は、まさに英雄の旅のプロセスをたどります。
研修への参加という「天命」が来て、本人が望もうと望ままいと「旅が始まる」のです。
そして掃除が始まると、最初は便器に手を突っ込むという「境界を越える」ことができず、躊躇します。
一緒に作業をする仲間が「守護者」となり、少しずつ「悪魔」と向き合います。最初は恐る恐る触れていたのが、
次第に汚れを落とすことに集中していき、やがて躊躇なく素手で掃除ができるよう「変容」します。そして、便器がピカピカになり「課題完了」です。

このプロセスでとても重要なのが、汚れに向き合えるかどうかです。
中には、いつまでも汚れという悪魔に向き合うことができず、適当に終わらせてしまう方もいます。
変容のためには、真剣に向き合うことが必須なのです。

・・・いかがでしょうか?
この研修は、社員にはとても不評な研修でした 笑
しかし、真剣に向き合うことで、汚れが汚いものではなく、解決すべき課題に変わる瞬間を経験することができる、とても有意義なものとなります。
極めて短い時間で英雄の旅ができるのです!悪魔と対峙し、味わい尽くす。そして、それを変容のリソースとする。

コーチとしては、まさにクライアントの変容を支援する重要な局面ですね。
さて、いよいよ課題が完了したら、故郷への帰還です。実は、ここにも様々な罠が潜んでいます。一筋縄にはいきません。
この点については、また次回。では、また。

丸地

丸地 見典

Maruchi Kensuke

東京コーチング協会 運営委員
株式会社maru-suru代表取締役
資格
  • 東京コーチング協会認定プロフェッショナルコーチ(TCAPC)
  • 国際コーチング連盟認定プロフェッショナルコーチ(PCC)
  • 全米NLP協会認定トレーナー
  • 7つの習慣®for不動産ファシリテーター
  • LABプロファイル® マスターコンサルタント
  • LABプロファイル® 認定コンサルタント&トレーナー
  • 米国NLP&コーチング研究所認定 DSRトレーナー
  • タイムラインセラピー® プラクティショナー
  • 米国NLP&コーチング研究所NLP催眠療法認定プラクティショナー
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