言葉が世界を創る:コーチは言葉にこだわれ

こんにちは。組織コーチングコースレーナーの大坪タカです。
最近のAIの進化、驚くばかりですね。私たちの提供する「組織コーチング第3期コース」の概要を紹介するポッドキャストも公開しました。
(倍速で約3分で聴けます):
https://notebooklm.google.com/notebook/40fcf213-3076-4794-9613-6ecbabfc6cac/audio

これだけでも、「組織コーチングとは何か?」のエッセンスがわかりますよ。

■ 聖書を読んだことはありますか?

突然ですが、新約聖書『ヨハネによる福音書』の冒頭をご存じでしょうか?このような一節から始まっています。
「はじめに言(ことば)があった。言は神と共にあった。言は神であった。」
この一節を初めて読んだとき、他の福音書と違う“深い響き”を感じました。
(ちなみに“新約”とは「新しい翻訳」ではなく、「神との新しい契約」という意味だということ、ご存じでしたか?)
この言葉は、言語がただの道具ではなく、世界そのものを形づくる力であることを示唆しているように感じます。

■ 言葉が世界を創る

私たちは日々、無数の言葉を使っています。職場でも家庭でも、チームでも組織でも。
でも、その「言葉」が実際に私たちの見ている“世界”をつくっていると気づいている人は多くないかもしれません。
社会構成主義の視点では、「現実」は人々の言語・相互作用・文脈によって構築されるとされています。
たとえば、「うちの職場は風通しが悪い」という言葉。それが繰り返されると、単なる印象がやがて組織文化そのものになっていきます。

■ コーチが注意すべきこと

だからこそ、コーチングにおいて「言葉」は極めて重要です。クライアントの口から出る言葉は、その人の世界観や信念を映す鏡です。
「できない」「どうせ変わらない」などの言葉の裏にある信念や前提を、コーチは丁寧に扱う必要があります。
また、「いつも」「必ず」「みんな」などの極端な言い方が、何を固着させているのかにも意識を向けましょう。

同時に見逃してはならないのが、コーチ自身の言葉です。たとえば、「○○すべきでは?」という問いかけに、自分の期待や判断がにじんでいないか?
「最初は少しづつやっていきましょう」の一言に、自分の価値観を無意識に押しつけていないか?などなど。
コーチであるからこそ、自分の言葉に敏感になり、意図をもって言葉を使うことが大切です。

■ もう一人の自分に聞かせてみる

私がよく提案するのは、「もう一人の自分が、自分の言葉を聞いているつもりで振り返る」ことです。
録音や文字起こしを使うと、自分の言葉の「癖」や「無意識の枠組み」が浮き彫りになります。
今は、生成AIにセッション内容を分析させてみるのもおすすめです。実際、私がAIに分析を依頼したところ、
「誘導的に承認してから次に進む傾向がある」と指摘され、ハッとした経験があります。

私たちコーチは、クライアントの言葉にも、自分の言葉にも敬意を持って接する必要があります。
なぜなら、言葉が世界を創るからです。
今回はここまでになります。お読みいただきありがとうございました。

<組織コーチングに関心のある方へ>
7月26日(土)に東京国際フォーラムで開催される「TCAコーチング祭2025」にて、組織コーチングの分科会も予定しております。
申込みも始まっていますのでぜひご予定を空けておいてくださいね!

東京コーチング協会 理事
組織コーチングトレーナー
大坪タカ

TCA設立10周年記念 コーチング祭2025 申込み受付中!
https://tca-coachingmatsuri-2025.peatix.com/

大坪 タカ

Otsubo Taka

東京コーチング協会 理事
資格
  • ・東京コーチング協会認定プロフェッショナルコーチ(TCAPC)
  • ・国際コーチング連盟プロフェッショナルコーチ(PCC)
  • ・米国CRR Global認定 組織と関係性のためのシステムコーチ(ORSCC)
  • ・キャリアコンサルティング技能士2級
  • ・中小企業診断士
担当コース
  • 組織コーチングコース
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