崖っぷちを歩くと、見えなかった物事が見えて来るようになる、、、

こんにちは、 東京コーチング協会 バンコク在住の小池です。
私が未だコーチングに出会う遥か以前の事、今からざっと20年以上も昔の話です。
当時、私はそれまで20年近く勤めて来た会社を飛び出し、 飛び込んだ先のベンチャーっ気のある企業への転職で見事に失敗をして、
8ケ月間の転職活動(失業期間)を経て、ある中堅メーカーのタイ現地法人責任者の仕事を始めたばかりの頃でした。
それまで、会社の経営に携わった事の無い、大企業出身、40歳そこそこの私に、高額な設備投資をして設立したばかりの現地法人の経営を任せた
その会社の度量には、背景に様々な事情があったにせよ驚かされましたが、今でも感謝の念を忘れずにいる事は、そんな私を経営者にする為に
徹底的にしごき鍛えてくれた事でした。
そのお陰で設立間もない現地法人を当時の仲間達と共に黒字化し、その後8年間の現地法人社長としての職務を全うする事ができました。
そのように鍛えられていく中で、本社の番頭的な存在だった専務から投げかけられた言葉が、
「小池!崖っぷちを歩け、いつ落ちるか分からない崖っぷちを歩くとなあ、精神が研ぎ澄まされてくるんだ。そうすると、今まで見えなかった物事が、
見えるようになってくるんだ。だから崖っぷちを歩く訓練をしろ!」 でした。

その後、この現地法人ではリーマンショックで1ケ月の間に注文が70%減になり、更に仕入先の商社からは前金でないと材料を売らないと通告され、
本社からの資金調達も難しい中で、毎日キャッシュフロー と睨めっこしながら、最後には従業員の整理解雇まで手を染める事態まで経験する事になりましたが、
何とか乗り切れた(商社へ怒鳴り込みに行ったり、従業員に座り込みのサボタージュをされたりしましたが)のは、この言葉を思い出し、
精神を研ぎ澄まして周囲(顧客、仕入先、従業員)に真摯に向かい合ったからなのかもしれません。
未熟な経営者がこの難局を乗り切れたのは、その時「今まで見えなかった何かが見えた」のかもしれません。
その後、51歳、55歳で転職、そして62歳で独立をすることになりましたが、その時々の決断の基準になったのが、安全そうなところに留まるのではなく、
あえて「崖っぷちを歩いてみよう」という選択でした。

コーチの重要な役割のひとつとして、クライアントの背中を押すという役割があります。
皆さんはコンフォートゾーンや 自らの影響力の範囲内に留まろうとするコーチから背中を押してもらいたいと思うでしょうか?
コーチとは確かにコーチングの知識・技術・技能を身に着けた専門職ではありますが、 同時に人(クライアント)の成長に真剣に対峙する職業でもあります。
その為には コーチとしての生き様(プレゼンス) を日々磨いていく事が大切だと思いますし、これからのAIの時代 においては益々その重要性が
増して行くのではないかと感じています。
如何ですか? さあ、皆様! 「ひとりで崖っぷちを 歩いてみませんか?」

小池 信道

小池 信道

Koike Nobumichi

東京コーチング協会 運営委員
Thai Japan Coaching Associates Co., Ltd. Founder & Director
資格
  • 東京コーチング協会認定プロフェッショナルコーチ(TCAPC)
  • 国際コーチング連盟プロフェッショナルコーチ(PCC)
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