2024/11/05
残念なコーチの特徴:パーソナルと組織コーチングの共通点
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チームコーチング改め組織コーチングコース トレーナーの大坪タカです。
最近、パーソナルコーチングに 対するフィードバックをする機会が増えています。 その中で感じる「残念なコーチ」の特徴についてお話しします。
パーソナルコーチングと組織コーチングの両方に共通する大切なポイントを押さえ、 質の高いコーチングを 実現するための視点を 一緒に考えてみましょう。
■見えている問題だけを扱う“表面的な”コーチング
コーチングでは、クライアントの問題やテーマを「氷山」に例える ことがあります。氷山の海面上に出ている部分が、クライアントが表明する「見える問題」です。
たとえば、パーソナルコーチングでは「職場での人間関係の悩み」や 「キャリアの不安」、組織コーチングでは「部署間の対立」 や「目標達成の停滞」
といった課題が該当します。
残念なコーチは、この氷山の「見えている部分」だけを扱い、表面的な問題解決型のアプローチに終始してしまうことが多いです。
具体的な解決策を提供しようとすると、クライアントの課題についての知識や経験が求められるため、どうしてもアドバイザー的な役割になりがちです。
クライアントに寄り添い、「問題解決」を提供する姿勢は一見親切に見えますが、実はクライアント自身の視座や視野、視点に変化がないまま、
「テンプレ通りの表面的なコーチング」になってしまうことが少なくありません。
また、相手の業務経験や知識がないと問題解決が難しいので尻込みしてしまうコーチも 多いです。
■問題ではなく「人」に焦点を当てる
パーソナルコーチングの本質は、表面的な問題を超えて、氷山の “見えない部分”にある 「その人の価値観や人生観」に触れていくことです。
クライアントがどのような信念や価値を持ち、何を大切に生きているのか。 その根底にある“人間”そのものに 焦点を当てることが、 深いコーチングの鍵となります。
クライアントが「何をしたいか」ではなく、「何に意味を感じ、どう生きたいのか」を探求する場を提供することで、表面的な問題の奥にある
本質的な変化が引き出されます。 このため、コーチは「問題解決」ではなく、「クライアントその人」に焦点を当てることが重要です。
表面的な解決ではなく、根本的な価値観に気づきをもたらすことで、クライアント自身が視点や視野を変化させ、自らの力で解決の糸口を見つけ出していけるように
なるのです。だからこそ、本来のコーチングはコンテンツフリーなのです。
■組織コーチングも同じく「見えない部分」を探る
組織コーチングもまた、見えている 課題だけを扱っては本質的な変化が難しいのが現実です。 表面上の問題に注目するのではなく、
その組織の中に流れる「歴史」、「風習」、「関係性」、メンバーが共有する 「ノーム(規範)」といった、氷山の“見えない部分”に目を向けることが求められます。 例えば、「コミュニケーションが 不足している」という表面的な課題に対して、単に会議の頻度を増やすだけでは根本的な解決に
ならないことはお分かりだと思います。 背後にある信頼関係や、意思決定に 関する文化が原因であれば、その組織特有の「人と人との 関わり方」「信頼の構築」から見直していく必要があるでしょう。
■残念なコーチにならないために:見えていない部分の焦点を当て、それを明らかにする
優れたコーチングとは、問題解決 ではなく「人」に焦点を当てることです。問題の本質は、表面的な部分の裏に隠されています。
コーチング の役割は、その奥深くにあるクライアント自身の価値観や信念、 組織全体の文化や関係性を明らかにし、そしてそこに働きかけ、
クライアントや組織が本来の力を 引き出せるよう支援することに あります。 問題に囚われず、その人や組織が持つ可能性や成長の源泉を共に探る姿勢を大切にして、
さらに 効果的なコーチングを 目指していきましょう。
東京コーチング協会 理事 大坪タカ
大坪 タカ
Otsubo Taka
- 資格
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- ・国際コーチング連盟プロフェッショナルコーチ(PCC)
- ・米国CRR Global認定 組織と関係性のためのシステムコーチ(ORSCC)
- ・キャリアコンサルティング技能士2級
- ・中小企業診断士
- 担当コース
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- 組織コーチングコース