2024/09/16
コーチング嫌いな人
皆さん、こんにちは! 東京コーチング協会の長瀬です。
先日、とある研修会社の社長と会食した際に彼が発した一言が、私の中で深く響きました。
「わたし、実はコーチングが嫌いなんです。」 コーチングに対するネガティブな意見を直に聞く機会は少なく、この発言は新鮮でかつ考えさせられるものでした。
そこで、社長がなぜそう思うのかその背景を尋ねてみました。 彼が感じている最大のネックはこうです。「クライアントを甘やかしすぎて成長のチャンスを逃しているのではないか?」 彼の考えを掘り下げてみるとコーチが受容や共感、勇気づけといったアプローチを多用することで結果的に厳しさが欠如した「ぬるさ」と「甘さ」しかない印象を持っているようでした。
彼自身の原体験を聞くとその背景が少し見えてきます。 「俺は、徹底的に叩かれ、追い込まれた結果今の成功を手に入れた。あの厳しさがなかったら、
今の自分はない。」 その言葉には、自分を限界まで追い込むことで成長したという強い信念が感じられました。 もちろん、 彼の価値観に偏りがあるかもしれませんが、私は同時に「一理あるな」とも思いました。
・本当は良くないことに対して、「いいですね~」という共感を示す。
・必要以上に勇気づけることで、できていないことに対しても合格を出してしまう。
これらを続けると、結果的にクライアントが勘違いしてしまうリスクがあります。 コーチングは「背中を押す」ことは重要ではありますが、その限度を超えると逆効果になりかねません。
ここで思い出すのは、私のメンターコーチのことです。 彼女は高い信頼関係の中で、厳しくも温かく私を導いてくれました。
過去の私はプライドが高く、自分の意見を通そうとすることが多かったのですが、そのコーチングを通じて、次第に自分の弱点を受け入れ、人と協力する謙虚さを身につけるようになりました。 この体験を通して、「裸の王様」を防ぐ効果を持っていると 感じるようになったのです。 つまり、厳しさを伴うフィードバックが真の成長を促す重要な要素だということです。
もし、クライアントに嫌われたくない一心でぬるく甘いコーチングに偏ってしまったらそれこそがコーチングそのものへのアンチを生み出してしまう原因になりかねません。 仲間たちと「本物のコーチング」を 学び、実践し、受けることが大切です。
クライアントに対して、 時には厳しくも成長を促す真摯なコーチングを提供し、コーチングの輪をさらに広げていきましょう。
長瀬 隆
長瀬 隆
Nagase Ryu
ポールスター・パートナー株式会社 代表取締役
- 資格
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- 東京コーチング協会認定プロフェッショナルコーチ(TCAPC)
- 国際コーチング連盟認定プロフェッショナルコーチ(PCC)
- 日本プロフェッショナル講師協会 認定講師
- HRD社 DiSC®認定講師