2024/09/02
効果的なコーチングスキルとは?基本から実践まで徹底解説
コーチングスキルは現代のビジネス環境で不可欠な能力です。リーダーシップやマネジメントにおいて、他者のパフォーマンスを最大限に引き出し、目標達成をサポートするためには、効果的なコーチングスキルが必要です。コーチングスキルを身につけることで、チームのモチベーション向上、コミュニケーションの改善、そして組織全体のパフォーマンス向上につなげることができます。
コーチングスキルの定義
コーチングとは、クライアントが自身の目標を達成するためのプロセスを支援する方法です。質問やフィードバック等を通じて自己発見と成長を促進します。
東京コーチング協会では、コーチングを次のように定義しています。
“コーチがクライアントの想いや考えに働きかけることにより、クライアントが一人では気づけなかった心から望んでいることに気づき、その実現に向けて自発的に行動し成長するための協働行為である”
コーチングスキルの基本技術
傾聴
傾聴はコーチングの基本技術の一つです。相手の話を深く理解し、共感を示します。効果的な傾聴は、コーチとクライアントの間の信頼関係の構築につながります。信頼関係ができてはじめてクライアントが自身の考えや感情を自由に表現できる環境が整います。傾聴を行う際には、言葉だけでなく非言語的なコミュニケーションにも注意を払うことが重要です。言葉による表現と非言語表現が異なる場合には、非言語表現がクライアントの本音を示していることが一般的です。
具体的な傾聴のスキルとしては、以下のようなものがあります。
- リフレイン
- リフレクション(伝え返し)
- 要約
- ペーシング、など
上記のスキルを活用することで、クライアントは安心を感じ、本音を引き出すことができます。クライアントの本音に、問題解決や成長の種があります。傾聴は、コーチングにおいて最も基礎的で、重要なスキルと言えるでしょう。
承認
承認は、クライアントの努力や成果を認めることです。クライアントの自己肯定感の向上につながり、モチベーションを維持する手助けをします。具体的な行動や成果に対して承認を行います。また、コーチングにおける承認は、行動や成果について褒めるのではなく、クライアントのその人そのものの存在をありのまま肯定し、相手に伝えることも行います。クライアントの存在そのものを承認することで、評価を来にせず安心して本音を話せる環境を作り出すことができます。信頼関係の構築に欠かせません。
承認をする対象に合わせて、以下のような種類があります。
- 成果(結果)承認
- 成長承認
- 行動承認
- 存在承認
質問
質問はクライアントの思考を促し、新たな視点や解決策を見つけることを助けます。良い質問は、クライアントが自分自身で答えを見つけ出す過程を支援します。効果的に質問を使用することで、クライアント自身では気づくことができなかった新しい視点を得たり、盲点となっていたことに焦点を当てることができます。質問によって、問題の解決だけでなく、クライアント自身の成長を促すことも可能です。
ただし、質問を行う際には「尋問」にならないように注意が必要です。特に「なぜ?」という質問を矢継ぎ早に使うと、質問をされているというよりも非難されていると感じ、逆効果になってしまうこともあります。質問は一度に一つずつ、極力シンプルに行うよう心がけましょう。
コーチングでは、過去よりも未来に向けての質問を多く使用します。また、クローズド・クエスチョンよりもオープン・クエスチョンを意識すると効果的です。
フィードバック
フィードバックとは、相手の言動や考えについてコーチが情報を返すことです。クライアントが自己改善を図るための具体的な指針となります。クライアントの無意識な言動について情報を返すことで、クライアントは自己の無意識の言動を認識することができ、より自己や現状に対する認識力が高まります。
フィードバックには、客観的な情報のみを返す“客観的フィードバック”や、コーチの主観的な情報を返す“主観的フィードバック”があります。いずれも、具体的で建設的なフィードバックであることが重要です。また、フィードバックの伝え方についても注意が必要です。
効果的なコーチングを実践できるGROWモデルとは
GROWモデル(Goal, Reality, Options, Will)は、コーチングの代表的なフレームワークです。以下の4つのステップで構成されています。
- 目標設定(Goal):クライアントが目指す具体的なゴールを明確にします。
- 現状分析(Reality):現在の状況を詳細に分析。目標達成に向けた障害やリソースを確認します。
- 選択肢の検討(Options):目標達成に向けた複数の選択肢を検討します。
- 行動計画(Will):具体的な行動計画を立て、実行に移すための意志を確認。
コーチングスキルを活かせる資格について
主要なコーチング資格
コーチングの資格には、ICF(国際コーチ連盟)認定資格や、国内の認定資格などがあります。
- ICF認定資格:Associate Certified Coach(ACC)、Professional Certified Coach(PCC)、Master Certified Coach(MCC)
- 国内認定資格:日本コーチ協会認定資格など
- 東京コーチング協会の資格
東京コーチング協会でも独自の資格認定を行っています。以下の資格があります。
- アソシエイトコーチ(TCAAC/ACC):TCAのエッセンシャルコースを修了し、必要条件を満たすことで取得可能。ICFのアソシエイトコーチ(ACC)の資格取得にも繋がります。
- プロフェッショナルコーチ(TCAPC):さらに上級のエキスパートコース・エクセレンスコースを修了し、実践経験を積むことで取得可能。ICFのPCCの実技試験が免除されます。
- マスターコーチ(TCAMC):最上級の資格で、豊富なセッション経験と高度なコーチングスキルが求められます。
資格取得のメリット
資格を取得することで、専門知識の証明やキャリアアップが期待できます。資格保有者としての信頼性が向上し、ネットワーキングの機会も増えます。
試験対策と学習方法
効果的な試験対策や学習方法を紹介します。例えば、ICF認定資格の場合、公式テキストやトレーニングプログラムの活用、模擬試験の実施が推奨されます。
また、東京コーチングではTripleAプログラムや勉強会、セミナーなどを開催しております。
コーチングスキルを応用できる場面
自己成長とキャリアアップ
コーチングスキルを習得することで、自己成長やキャリアアップが期待できます。リーダーシップやマネジメント能力の向上にも寄与します。自身の市場価値を高める効果があります。
人間関係の改善方法
コーチングスキルを使って、職場や家庭でのコミュニケーションを改善できます。良好な人間関係の構築や、チームの協力体制や家庭内の和が促進されます。
ビジネスにおけるコーチングの活用
コーチングスキルをビジネスに応用できます。チームのパフォーマンス向上や組織全体の効率化が可能です。メンバーの自主性を引き出し、問題解決能力を向上させることで、組織のパフォーマンスを向上させます。
まとめ
本記事では、コーチングスキルについてお伝えいたしました。
コーチングスキルはコーチングを行う際にはもちろん、ビジネスやプライベートなど様々な場面で応用が可能です。一方で、コーチングスキルを身につけるには本を読むだけでは難しく、自分のやっていることについてフィードバックを受けることがとても効果的です。コーチングスキルを身につけ、ビジネスやプライベートで活用したい方は、東京コーチング協会の講座への参加をご検討ください。
エッセンシャルコースではコーチングの基本を学びます。ここで学ぶスキルやプロセス、そしてマインドセットなどがリーダーシップを発揮するための欠かせない要素だと思います。プロコーチを目指さない(いずれ目指すかもしれない)方も是非講座へのご参加お待ちしております。
執筆者:丸地 見典
詳しいプロフィールはこちら
丸地 見典
Maruchi Kensuke
株式会社maru-suru代表取締役
- 資格
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- 東京コーチング協会認定プロフェッショナルコーチ(TCAPC)
- 国際コーチング連盟認定プロフェッショナルコーチ(PCC)
- 全米NLP協会認定トレーナー
- 7つの習慣®for不動産ファシリテーター
- LABプロファイル® マスターコンサルタント
- LABプロファイル® 認定コンサルタント&トレーナー
- 米国NLP&コーチング研究所認定 DSRトレーナー
- タイムラインセラピー® プラクティショナー
- 米国NLP&コーチング研究所NLP催眠療法認定プラクティショナー