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人は助けられて成長する

こんにちは。
東京コーチング協会の大谷です。

 
だいぶ暖かくなってきましたが
皆様いかがお過ごしでしょうか。

 
今回は「人は助けられて成長する」
ということについて書きたいと思います。

 
昔の話ですが、
私がソフトウエアの開発現場にいたころ
とある大きなプロジェクトで
大失敗を経験しました。

 
それまで担当したプロジェクトは
ほぼ問題もなく
市場導入された製品は非常に評判もよく

さらに
他のプロジェクトで問題が起きると
お助けマンとして呼ばれて
色々な問題解決を実施し
重宝がられて

他を助けることで自分は成長している、
と思っていたのです。

 
そんなちょっと天狗になっていた私が
30代半ばに大失敗を経験します。
 

詳細は割愛しますが

品質が全く安定せず
結局納期を大幅に遅延し
会社にとって大きな損失を
出してしまったのです。
 

目標としていた納期に対する
遅延が決まった時

勿論、原因追及や対策立案や
様々なことをやりましたが

一方で、意外にも多方面から
いろいろな支援をいただきました。

 
・こっちでXXについては
検討するから心配しなくていいですよ

・リカバリー策についてできることを
考えてみます

・何をすれば加速できそうか
教えてもらえますか

・人が必要なら何とかするから
言ってくれ
 

などなど
しかもかなり上位の役職の方々が
こんな若僧に言ってくれる。
 

ひとつひとつ
涙がでるほどうれしかった。

 
この時自分の価値観というか
信念が変わりました。
 

「人は助けられて成長する」です。

 
明らかに他人、他グループ
他部門に対する見方や考え方が
変わりました。

 
それまでは担当範囲も
それほど大きくないし
責任もそれほど重くないし

ところがある程度の範囲や
責任の重さになると

結局多くの人の支援なくして
何も成しえない。

 
要するに、「一人では何もできない」
という教訓を得て、

自分のノートに書きました。

 
自分のチームはメンバーに
支えられているのです。

 
それからは
メンバーが成長するために

ある程度チャレンジングな仕事を任せて

ドキドキしながら見守って

何かあったら一緒に考えて

メンバーが助けられる
(サポートされる)経験をしてもらう

というスタイルに変わりました。

 

この行動様式
当時コーチングの知識ゼロの私には
まったく気づきようもないのですが

今見ると
かなりコーチングに近いと気づきます。

 
私の現場経験は失敗から
学んだわけですが

別に失敗しなくても
コーチを付ければ成長できる。

 
あるいは上司がコーチングの
知識を持って活用すれば
メンバーは成長できる。

 
まだまだコーチングの有効性に
気付いていない潜在的なニーズが
山ほどあると確信します。
 

大谷敏

コラムを執筆したコーチ

大谷 敏 大谷 敏
おおたに さとし

資格

東京コーチング協会認定プロフェッショナルコーチ(TCAPC)
国際コーチング連盟認定プロフェッショナルコーチ(PCC)

プロフィール・メッセージ

【経歴】 国立電気通信大学電気通信学部経営工学科卒業(1984年) 富士ゼロックス株式会社入社後、複写機/複合機のソフトウエア開発に従事(1984年~2015年) 富士ゼロックス株式会社にて、主にマネジャー層とリーダー層 […]