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「日本人の会話の特性」

「コーチングとは何だ!議論を始めよう Vol.3」

こんにちは。
TCA、TripleAプログラムトレーナーの斎藤です。

コーチングを学び理屈ではわかっているけれど、
なかなか実行できないことが起こります。
そのひとつにクローズドクエスチョンがあります。

言うまでもありませんが、コーチの質問の基本は
オープンクエスチョンです。
クローズドクエスチョンを使うべき場面はありますが、
クライアントの思考が拡がる質問は
オープンクエスチョンだからです。

クローズドクエスチョンを使ってしまう
要因のひとつに考えられるのが、
「日本人の会話の特性にあるのではないか」
それが今回のテーマです。

コーチング発祥の地、アメリカでの会話を
想定するとクローズドクエスチョンを使った場合、
答えは「YES」か「NO」しか返ってこないケースが
多いのではないでしょうか?
つまりその対話はここでストップ、
思考は拡がらないまま終わります。

ところが面白いことに日本人の会話では
クローズドクエスチョンを使っても、
受け取り側の思考の拡がりを見せることが
多々あります。
それは、受け取り側が聞き手の意図を察して、
考え、回答するという特性があり、
その習慣からコーチングにおいても、
クローズドクエスチョンを使う、
しかし、クライアントは質問の意図を察して、
思考を拡げて言語化するのでは
ないかという仮説です。

例えば日本の会社では
「1言って10わかる人」
という発言を耳にします。
そしてそういう人がよい評価を
得るケースが見受けられます。
いわゆる相手の少ない発言から、
その発言の裏や相手の欲しいことを察して、
行動ができるということだと思いますが、
グローバルな現代の環境において、
このようなコミュニケーションは
通用しないのではないでしょうか。

日本人には日本人の良さがあり、
それを否定してのお話ではありません。
日本の社会はそのような中でも動いてきたし、
これからも完全にこの特性がなくなることは
ないのではないかと思います。

さて、ここで言いたいのは、理屈ではわかっていても
実行できてないということに対して、
(ここではクローズドクエスチョンを使ってしまいがち)
仮説を立てることで、なぜできないのかについて
自分を責めたりすることなく、
こういう特性があるという前提を置いて、
客観的に対処法をみつけることが
大事なのではないかというお話です。

私自身は、わかっていてあえて
クローズドで質問する場合があります。
クライアントとの関係や
クライアントの今の気持ちを考えたときに、
そのほうが良いと判断した場合には、
本来オープンを使うべきところを
一旦クローズドで質問することがあります。

とは言え、コーチングの基本は
オープンクエスチョンだという事は
あらためて記しておきたいと思います。。

日本人の特性を前提とした話では、
ゴール設定についても仮説があります。
それについてはあらためて、東京コーチング協会の
TripleAプログラムの講座や
コーチング・ブラッシュアップ(勉強会)で
みなさんと議論を深めていきたいと考えています。

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斎藤 浩
東京コーチング協会認定プロフェッショナルコーチ(TCAPC)
国際コーチング連盟認定プロフェッショナルコーチ(PCC)
経営、企画、人材育成の経験を経てコーチに転身。
現在は、コーチングの魅力、可能性に魅了され、日々学びを続けている。

コラムを執筆したコーチ

斎藤 浩 斎藤 浩
さいとうひろし

役職・所属等

一般社団法人 東京コーチング協会 理事

資格

東京コーチング協会認定プロフェッショナルコーチ(TCAPC)
国際コーチング連盟プロフェッショナルコーチ(PCC)
Points of You®認定エバンジェリスト
Gallup社認定ストレングスコーチ
ICF PCCマーカーアセッサートレーニング修了

プロフィール・メッセージ

◇プロフィール◇ ​「20代は世の中を徹底的に観る、 30代は仕事に没頭する」   そう決めて臨んだ20代は 2度インドへのバックパッカー としての旅に出たり 日本全国を旅したりして 過ごす。 また興味のあるこ […]