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【HOW】と【WHAT】

東京コーチング協会の大谷です。

最近、世の中ではDXという言葉が飛び交っています。
DX研修のニーズも数多くあるのですが、DXは「デジタルトランスフォーメーション」という意味で、経済産業省の定義によると、
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
となっています。
私はこの定義は非常によくできていると思っているのですが、DXというとHowの話をする人が本当に多い。
例えば、
最近AIを使って効率改善したっていう話がよくニュースに出ているけど、我社も何かできない?
・ホワイトカラー向けのロボット(RPA)をもっと有効活用すれば、人件費削減できるでしょ?
・クラウドシステムを導入すれば効率改善できそうだよね?
みたいな感じ。

でも、これらのHow先行のプロセスは典型的な失敗するパターンで、Whatを最初に扱わないと結局何を解決したいのかがわからないのです。
重要なのは目的思考・意味思考・お客様思考をベースとした問題発見で、何を自分は扱いたいのかが問われています。

コーチングでも、ビジョンやゴールなどWhatが不明確な状態でセッションを実施して、GROWモデルのO(Options)の話をすると、どうしても手段(How)が中心の話になって、結局気づきが何もなく終わることが多い。
手段が目的に変わってしまう、ビジネスのシーンでもよくありますよね。

ですので私は最近、GROWモデルを意識しながらも、クライアントのWhatが不明確だと感じた時には、クライアントに興味をもって、「そもそも・・」、「先ほどのXXとおっしゃった言葉の真意は?」、「それによって周囲にどのような影響を与えたいのですか?」などのWhatの質問をすることが多くなりました。

DXもコーチングも「Howは後からついてくる」と思っていて、コーチングではクライアントにWhatの気づきがあればHowはどんどんクライアント自ら創意工夫してくれる、そんなコーチングができた時は達成感がありますよね。

クライアントに興味を持ってWhatの質問をいっぱいすると、本質に迫ることができて、クライアントのゴールがどんどん鮮明になっていくと思いますので、みなさまも是非チャレンジしてみてください。

コラムを執筆したコーチ

大谷 敏 大谷 敏
おおたに さとし

資格

東京コーチング協会認定プロフェッショナルコーチ(TCAPC)
国際コーチング連盟認定プロフェッショナルコーチ(PCC)

プロフィール・メッセージ

【経歴】 国立電気通信大学電気通信学部経営工学科卒業(1984年) 富士ゼロックス株式会社入社後、複写機/複合機のソフトウエア開発に従事(1984年~2015年) 富士ゼロックス株式会社にて、主にマネジャー層とリーダー層 […]